跳ぶって どんな事??

 『跳ぶ』とは自身が発揮した力によって、文字どうり空中へと跳ぶ動作であり、 科学的には『運動の主体である体が、逆に体を客体(もの)として重力に抗して空中に投射する』と定義されています。
 

 『跳ぶ』とはスポーツで様々な場面で使われますが、その目的はいくつか大別できます。まずは、垂直跳び、走高跳び、、さらにバレーボールのスパイクやブロックなどのように高く跳ぶ事、つまり、鉛直方向(重力の方向)へ移動を目的するものが一つで、次に走り幅跳びや、三段跳び、ハンドボールにおけるジャンプシュートなど、水平方向の移動を目的としたものがあり、跳ぶには、片足で跳ぶのか(走幅跳び)、両足で跳ぶのかの違いや、スッテップワーク、跳ぶに類似動作として、陸上のハードリングや、剣道の踏み込み動作、体操の鉄棒などの高所からの着地などもあげられます。
 

 跳ぶには、目的に応じた様々な形態があげられるが、いずれも『跳ぶ』で重要なのは、空中でどれだけ移動できるかであり、それを決定づけるのが踏み切り時において加わる力です。『踏み切り時において加わる力』には、重力、空気抵抗、地面からの抗力、の3つがあげられます。

アスリートのリハビリテーション&リコンディショニング

スキーのジャンプなどの特殊な競技以外はほとんどが空気抵抗は小さいので、体の重心の移動距離、つまり跳ぶは原則として踏み切りにおける抗力によって決定されます。

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跳ぶを段階を分けると、上記のように分けられます。(肉眼では見分けがつきません。)

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跳ぶのパフォーマンスは、ほぼ踏み切りによってほぼ決定される。その踏み切りの良し悪しに大きく影響を与えるのが踏切の準備動作です。単純な『跳ぶ』動作、垂直跳びは、主動筋、ハムストリングスや、大腿四頭筋などに十分な力を加えるために運動エネルギーを確保する必要があります。

この運動エネルギーが踏み込み動作で生じますが、この時に主動筋、ハムストリングスや、大腿四頭筋しっかり運動エネルギーをしっかり受け止めることができる姿勢が必要となってきます。

例えば、膝が内側に入ってしまった状態で接地してしまい、踏み込みの運動エネルギーは下肢関節を捻る力となって、ハムストリングスや、大腿四頭筋をうまく『跳ぶ』に使えなくなってしまします。(図4)

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跳び箱に向かう動作で矢状面の動き(膝を曲げる、腰の屈曲や伸展動作など)でも同様です。 踏み切り板に向かう運動エネルギーを足、膝、股関節へとバランスよく配分できなければ、特定の関節のみに大きな負担がかかってしまいます。そのため跳ぶ事は困難になります。(図5)

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走り幅跳びのように高い助走速度をもって踏み切る場合、踏み切り足と身体重心との位置関係は『跳ぶ』に大きく影響を与えます。

地面の反発力(図6)体が大きく傾ける事になり、その分ブレーキ要素が大きくなります。ブレーキ要素が適切な量であれば、体は助走による運動エネルギーと起こし回転力によって勢い良く斜め上と投射されるが、ブレーキ要素が大きすぎるといわゆる『つぶれた』状態になります。

起こし回転の原理
ペンが落下するスピード(助走速度) ペン落下点(ブレーキ要素) 反発でペンが回転(起こし回転)
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助走による運動エネルギーとブレーキ要素が大きすぎるといわゆる『つぶれた』状態

外傷・障害に関係する動作の問題は、助走をともなった『跳ぶ』に代表しての走幅跳びにおいては瞬間的ではあるが垂直方向で509キログラム、水平方向でも305キログラムを超える力がかかります。

踏み切りでは足関節や膝関節を中心としたケガが発生することが多い。踏み切りの着地において多発するケガは捻挫による靭帯損傷です。踏み切りの時の姿勢が例えば、足関節において、地面と足底の間において発生する摩擦力により体は急激にブレーキされるため、距腿関節に強い圧迫力と剪断力が生じる。

この際、足関節が回内していると外側は圧迫ストレスが生じ、内側に対しては牽引ストレスが生じる。

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 こうした足関節に不良な配列は他の膝関節や股関節、腰椎などにも影響をあたえます。
 

このように瞬間的に動作が完了してしまう踏み切り動作は、動作開始時における姿勢が大きく影響しているのに対して、衝撃を吸収できる着地は、着地動作をコントロールする事は、着地時に地面から受ける衝撃を緩和する目的がある。衝撃を緩和する正しい着地方法を身につける事は、高い技術パフォーマンス獲得するために必要な技術です。

 着地の際にどうしても初心者はどうしても手や足を地面につけて支えようすることが多い。踏み切り同様に落下時における運動エネルギーは予想以上に大きいため、四肢では支きれず、関節に過剰な外力を発生する事でケガをまねいてしまう事は少なくありません。

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 また、1度の外力で外傷が生じなくても、『跳ぶ』を繰り返すことでケガが誘発される事も少なくありません。足のスネの疲労骨折やジャンパーズニー(膝蓋靭帯炎)がその例であるが跳ぶを多用する球技などにおいては、1日十数回、場合によって数十回の跳ぶ繰り返すことがあるため、こうした慢性的な障害にも目を向けてください。

 サッカーにおけるヘディングやバスケットボールにおけるリバウンドなどの跳ぶは、空中で相手と接触することで姿勢が乱れることが多々みられる、こうした突発的外力に対応できる姿勢保持力も、外傷予防には必須な能力です。

 跳ぶは走るや投げると異なり、非常に大きな力が瞬間的に加わるため、跳びにおける外傷動作との関係については、地面から抗力を受け止められる踏み切り、および着地姿勢に着目しなくてはならない。
 

 跳ぶ』は踏み切りは主動筋の筋力が地面から抗力に打ち勝つ必要があるが、着地は逆に地面から抗力を吸収しなくてはならない、特に、球技においては不安定な姿勢で着地せざるを得ない場合、筋収縮により関節を固めるのではなく抜重して衝撃を緩和することでケガになることを防がなければならない。

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 今回の『跳ぶって、どんな事??』跳ぶにおいては、ただ大きな力を発揮することが重要なのではなく、出力の調整機構により、関節にショックアブソーバー(衝撃吸収)の機能をもたせることがとても重要です。それがケガを予防することにも繋がります。

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