『泳ぐ』とは何か?

皆さんに『泳ぐ』という動作のことを理解していくために、まず水中の環境特性を知るところから考えてみましょう。


水中では浮力水圧粘性水温といった物理的な影響を受けます。これらは水泳のパフォーマンスを左右しスポーツ障害にも関与してきます。
クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライでは上半身の『かく』動作、下半身の『キック』動作によって推進力を獲得しています。

そのためモーターとなる肩・膝が水中の環境特性の影響を受け体幹部との連携がうまくとれないと負担が集中し痛めてしまうことが多いのです。

⑴浮力

水中では常に物体が上に上がるようなうえ向きの力が存在します。水との比率で考え水自体の比率は1.0でそれ以上のものは沈み、以下のものは浮きます。骨は2.01、筋肉は1.06、脂肪は0.94となり脂肪以外は沈みます。

⑵水圧・密度・粘性

水中では深く潜れば潜るほど、体に対し垂直な力がかかり10m潜るごとに1気圧上がっていき空気圧に比べて1000倍も変化が多いです。また密度は空気に比べ800倍も密度が高いので、抵抗力も多くそのため水を掴んで前に進むことができます。

⑶水の熱伝導

水の熱伝導は空気より23倍熱を伝えやすいです。その為、水温が体温・心拍数・血圧などに及ぼす影響も多く運動量が多いアスリートが多く出場するような国際試合では26.1度と体温よりもかなり低く設定され体内から生まれる熱を効率よく冷やせることで良いタイムがでるとされています。高齢者が多いプールでは逆に水温も高く設定され31度と身体に影響が少ない温度にされています。

 さて、前に進む推進力の話に移ります!

推進力に関わる上半身の割合はクロールが60〜80%、背泳ぎが60〜70%、バタフライが50〜70%、平泳ぎが30〜40%となります。

水の中では空気に比べ抵抗が速度の2乗分かかります。速度が2倍、3倍になれば4倍、9倍となります。その為進む方向に対し壁になるような形だと抵抗を受けすぎて前に進むことは不可能です。飛行機のような流線型がもっとも抵抗を受けずなります。

☆泳ぎ中の体の用語
・プル期=手が水中にある状態

・リカバリー期=空中に手がある状態

・エントリー=水に手が入る瞬間

・キャッチ=水を手でつかんで一番力が必要な局面

・スイーブ=キャッチ後、体の上から大腿部まで手を持っていくこと

・リリース=水から手を出すこと

アスリートのリハビリテーションとリコディショニング.
クロールのストローク動作

この際『ハイエルボー』状態にすることでより多くの水を捉えることが可能ですが、肩関節が内旋・内転し関節にストレスがかかりやすいポジションとなるので注意が必要です。

アスリートのリハビリテーションとリコディショニング.

では実際にはどのようなことに気をつけながら泳げばいいのでしょうか?

いくつか挙げていきましょう。
●抵抗軽減の観点から

①水平姿勢の維持②エントリーは指先から③キックの振り幅はあまり大きくしない


●障害予防として

①ハイエルボーはその人の肩の可動域以上のポジションを求めない②体幹を意識し、上肢・下肢の連携をする、また腰がまっすぐに。③肩を水平外転位にもって行き過ぎない。
などです。


泳ぐという行為は上記の理由から肩関節に多くの負荷をかけてしまいます。ですが痛みが出るのが当たり前ではなく、何かフォームが崩れているサインなので早めに改善し癖つけないようにしましょう。

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