ランニングの環境からみた ケガの発生

 ランニング障害の発生には、地面からの強い衝撃が頻繁に長時間にわたってランナーに作用します。 その要因には、路面傾斜、走路の屈曲、硬いサーファイス(アスファルト)、ランニングを行う環境によって身体にかかる衝撃が変化します。

1、路面傾斜(上り坂と下り坂)

坂道におけるランニングは『支持脚の離地点と、続く接地点の高さにさがある。』特徴があります。路面傾斜の影響は、位置エネルギーの変化を生むだけではなく、上り坂になるほど、踵接地が減少するなど、足部の接地様式にも変化を与えるため、地面反力の変化が顕著にあらわれます。
 図1はトレッドミルの傾斜を段階的に変化させてランニングを行った際(3m/秒)の地面反力の変化を示しています。地面の反力の垂直成分をみてみると、着地時の衝撃の鋭い波形はdownhill(下り坂)で第1のピークを迎えるが、斜度の減少ともにuphill(上り坂)ではほとんど消失しています。逆に接地後半は積極的な支持・推進にかかわる第2のピークは下り坂は傾斜が低いほど上り坂は傾斜が強くなるほど優位になります。
 あたり前ではありますが水平反力は下り坂は前方向かう推進成分が大きく、上り坂はブレーキ成分が減少し、後方に向かう推進成分が多くなります。

下り坂
上り坂

トレッドミルで上り坂と下り坂と平地で同じ走行スピードで検証した所、結果から平地ではランニング後が筋痛は軽く、下り坂が最も筋痛が強くなる結果でた。下り坂は常にブレーキをかけながら下腿の筋肉が収縮した状態でのばされている状態。遠心性収縮(腕相撲で負けている状態)が継続的にみられます。そのためランニング障害が起こる可能性があります。

このことから、上り坂、下り坂を利用したランニングは、トレーニングとしては有効な反面、ランニング障害が起こる可能性があります。その中でも上り坂は、着地の衝撃を防ぎながら行うトレーニングができ、衝撃負荷によって生じたケガからおきたリハビリテーションの手段としても、利用価値が高いと考えられます。

・左右方向の斜頚

ランニングにおいて日本の道路斜頚で問題になるのは、道路の『水はけ』のための斜傾です、通常、道路の水はけを目的とした排水溝は道路の両端に配置されています。排水口に向かって効率よく排水するために路面中央のセンターラインを頂点として、端に向かって緩やかに斜頚しているのが一般的です。

このために、下肢にかかる負担は左右差が生じ、右足の部分では平坦な路面と比べて、回内(プロネーション)が矯正されやすい。このような傾斜はわずかであるがランニングによる頻回の着地によって、ランナーに大きな負担となる可能性があります。傾斜した地面のランニング動作へ影響を実験的に検証した結果、高い側に接地する足の最大回内変位や回内速度が大きく、ランニングのケガに繋がります。さらに、実際に左右の脚長差がケガの原因となること報告されていて路面の傾斜によって同じことが予想されます。だから。。。ランニングコースは毎回、同じコースではなく、いろいろなコースを走ることがランニングのケガの予防にもなります。最低でも傾斜などを考慮して3コースほど考えましょう。

走路のカーブ

 トラック競技など屈曲した走路を走る時、走者は遠心力によって身体が外に飛び出さないように、走る軌道のカーブの内側に向かって身体を傾けて遠心力に対抗する態勢を生み出している。この時、地面の接点となる足底面と下腿の間には立っている時よりも大きな角度が必要となる。陸上競技のトラックは、ルールにより左回りと規定されており、そのためカーブの内側となる左足は、支持期において直線走よりも大きな回内が強制されます。トラックレースは繰り返し周回を行うため、このような負担が長時間にわたってくりかえされ、1600メートル×13セットおこなった選手の左右アーチを図った結果、走行後に左のアーチだけアーチの低下が認められています。市街地のジョギングやロードレースにおいてコース確保の都合上、直角のカーブや折返しも少なくありません。このような強いカーブを走る場合にも。メカニズムにより青く部に過大な負担がしいられます。トラック競技も反対回りを行うとケガの予防になります。

足の構造的に足内側の足根骨の配列は中央の内側のみ地面と接してない点で、回内の衝撃に弱い構造です。特に下腿からの荷重を足部に伝達する距骨は骨性の支持がなくスプリング靭帯に支えられています。そのため回内位では距骨の内側への落ち込みに耐えるべく、内側の支持機構に大きな負担がかかります。(スプリング靭帯損傷、三角靭帯損傷)
着地時の回内変形はアーチの動的な支持にかかわる靭帯や筋肉(後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、足の内在筋群)への負担がかかります。と同時に、下腿、大腿の動作や力の伝達にも大きな影響を与えるため、アキレス腱や、膝蓋靭帯(ジャンパー膝)、腸脛靭帯(ランナー膝)の負荷が増大する可能性があります。

アキレス腱炎発生の原因として、ランニング中の回内変形によって生じるアキレス腱の内外側の張力の不均衡があることでおこると論じられています。

ランニング中の足部回内は、下腿の内旋を伴う、この下腿のへの影響は結果的に脛骨粗面外側の腸脛靭帯付着部へのストレスを高める事につながります。高める事につながります。

3 サーフェイス(アスファルト)

 硬い路面はさまざまなケガの誘因となることがよく知られています。これは単に着地衝撃が大きくなることが原因と説明されてる事が多いが、実際は体の負担を軽減する運動のメカニズムの適応が関与しています。  硬いアスファルトとラバーコーティングしたアスファルトでは最大衝撃値は差はありません。アスファルとの硬さによって最大衝撃値のかわらない原因として、硬いアスファルではより、下肢の関節を柔軟に動かし、関節の剛性、硬さを低下させることで衝撃吸収を促している。という生態反応があることが明らかにされている。このような硬いアスファルトの適用による下肢関節運動の変化は関節の運動範囲の拡大や伸長性筋活動(腕相撲で負けてる状態、筋肉が収縮しているのに伸ばされている状態)の増加、組織への負担を変化させる可能性がありケガの原因として注意が必要です。
 一方で軟らかい地面の特有の障害もみられる。フットボールにおける報告が多いですのが特徴です。人工芝生に代表されるような比較的に柔軟で滑りにくい軟らかい地面において、足趾が拘束される状態で中足指節関節の過伸展が起こることにより、いわゆる『ターフトゥ』が発生される事が知られている。ランニングおいても人工芝のような軟らかい地面や、深い天然芝生、砂浜などは地面の変形に伴って、通常と異なる足部への負担が生じる傾向にあります。近年はより軽く柔軟性の高いシューズが好まれている傾向があり注意が必要です。

4 シューズ

これまであげてきた、関係を左右するのがシューズの選択です。変形したシューズや長時間の使用によってクッション性の損なわれたシューズは、それ自体がケガのリスクになる。意図的に硬い地面や軟らかい地面でシューズを交換することも効果がえられます。
シューズの性能から言うとサイズの合わないシューズの使用は水疱(マメ、靴ずれ)や爪下血腫の形成にもつながり、本来の運動も妨げ、足ならず全身に大きな負担をかける可能性がある。それぞれのスキルにあったシューズを選択すべきです。近年、シューズのクッション機能が高くなった事や、過回内の予防に代表されるようなモーションコントロール機能が発達したことでランニング障害が減少したと言われています。
シューズ選びに困ったら是非ご相談ください。

オーソティックスソサエティー 当院のインソールの協会

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